相摸湾から初島、大島、伊豆の海岸線を一望する熱海の山の手。その一郭を占める緑の斜面に建つリゾートマンションです。
平成元年に建った「熱海パサニア」は、それまでのリゾートコンドミニアムとは一線を画す立地条件(斜面)と建築技法(斜面型集合住宅)で当時、大変注目を浴びました。
海があり、山があり、澄んだ広い空がある。一年を通じて穏やかな気候と豊かに沸き出る温泉がある。これだけ自然に囲まれていながら、東京都心に直結された交通網による利便性があります。
海と緑の景観が大きく開けた、平均斜度28度の丘陵斜面。静岡県第2種風致地区の指定エリア内に「熱海パサニア」はあります。
敷地を覆い尽くす樹齢数十年におよぶ杉、檜、松などの樹木、そして竹林。
この急傾斜の地形をいかに有効利用し、天与の自然環境と美しい景観を守るという点が大きなテーマとして造られた建築物です。
熱海パサニアは開発面積約9万8390平米(2万9763坪)。広大な敷地のうち、約65パーセントものスペースが、自然林として残されています。敷地内に湧き出る水が沢となって流れ、さらには温泉源を2本有するなど、大自然の恵みを可能な限り守り、活かす計画となっています。
熱海パサニアの中心をなすのは総戸数279戸、28層からなる斜面型集合住宅。
住戸数を抑えた事により、自然環境・景観との調和、快適な居住性を実現しました。
建物は、この279戸の住居棟、レストラン棟、クアハウス棟、駐車場棟という4つのテーマで構成。
これらのゾーンを結ぶため、コンドミニアム中央に斜行エレベーターを設置。
コンドミニアム自体もこのエレベーターにより、ウエストサイド(西)、イーストサイド(東)にゾーニングされています。
居住面積、日照、採光、通風、眺望、独立性、接地性・・・熱海パサニアの住戸は、吹抜けや、ライトコート(光の庭)、トップライト(天窓)など、南側の窓以外にも採光、通風のための開口部が確保されています。これにより、各住戸では全室採光、さらに共有廊下に日照を実現しています。
関ポーチによる独立性・・・南向き斜面型住宅ならではのすぐれた日照・眺望に加え、高層型集合住宅の機能性と地に足がついた一戸建て住宅の感覚とが相まって住み心地の良い住空間を作り出しています。